3 Feb
Culture BY Takumi Kawano

オーストラリアの恵みで「恵方巻き」をつくるということ

― 伝統を“守る”のではなく、“つなぐ”という選択 ― 節分は、日本では「無病息災」を願う大切な行事です。 豆まきをし、恵方を向いて恵方巻きを食べる。 多くの人が子どもの頃から当たり前のように触れてきた、日本の食文化の一つでしょう。 では、その文化を日本の外で生きる私たちは、どう受け取ればいいのでしょうか。 「日本と同じもの」を再現するだけが、正解なのか? 海外で日本食を伝える活動をしていると、よくこんな問いにぶつかります。 日本と同じ材料が手に入らない 味や見た目をどこまで再現すべきか それは“本物”なのか? もちろん、伝統を正確に伝えることは大切です。 しかし同時に、私はこうも思います。 文化は、土地に根を張ってこそ、生き続けるのではないか。 オール・オーストラリア食材でつくる恵方巻き 今年の節分、私たちは 「オーストラリアの食材だけで、恵方巻きを再構築する」 という試みを行いました。 七福神にちなんだ、7つの食材です。 Lebanese Cucumber 日本のきゅうりに近い食感。体を整える、爽やかな役割 Roasted Beetroot 鮮やかな色彩と、ポリフェノールの力 Portobello Mushroom バルサミコと黒糖でソテー。椎茸に勝るとも劣らない旨味とβグルカン Pan Fried Halloumi 焼いたハルーミの弾力を、卵焼きの新しい解釈として Tasmanian Salmon EPA・DHAを豊富に含む、オーストラリアが誇る健康的な魚 Tiger Prawn ぷりぷりの食感と、赤色の縁起の良さ Pickled Yellow Capsicum たくあん代わりのポリポリ感。ビタミンCで全体のバランスを 料理人の遊び心と、その土地の知恵 隠し味として、 ベジマイトを、わさびの代わりに使いました。 寿司酢には、 アップルビネガー × ウイスキーを少量加え、 オーストラリアらしい奥行きを。 「日本らしさ」を失わないために、 あえて“日本と同じにしない”。 それもまた、料理人としての一つの誠実さだと考えています。 南南東は、オーストラリアだった […]
3 Feb
Culture BY Takumi Kawano

Making Ehomaki with Australia’s Bounty

— Choosing to Connect Tradition, Not Just Preserve It — In Japan, Setsubun is an important seasonal event, marked by prayers for good health and protection from illness. People throw roasted soybeans, face the auspicious direction of the year, and eat Ehomaki in silence. For many, this is a food custom they’ve known since childhood—an […]
28 Jan
Nutrition BY Takumi Kawano

Your Health Knowledge Might Already Be Outdated

The “Historic Reset” of the U.S. Dietary Guidelines: How the Return to Real Food is Changing the World and Washoku January 7, 2026 — The U.S. government has officially released the “Dietary Guidelines for Americans 2025–2030.” This update is far more than a routine nutritional refresh. Led by figures such as HHS Secretary Robert F. […]
9 Feb
chef interview BY Takumi Kawano

料理の裏側|シェフのリアルに触れる、本音対談 Vol.2

間中弘(Hiroshi Manaka)シェフ 今回のゲストは、イタリア、スペイン、フランス──。ヨーロッパ各地のミシュラン星付きレストランで経験を積み重ね、国やジャンルにとらわれない視点を持つ料理人 間中弘シェフ。   「Washoku Oceania Networkなのに、和食じゃないの?」 そう思われた方もいるかもしれません。 けれど、彼の料理や言葉に触れるとすぐに気づきます。 今彼が手がけているレストランの随所に、日本的な精神性や感覚が、自然なかたちで息づいていることを。 自身がヘッドシェフを務めるレストラン「Five」も、五味. 五色. 五法. 五適. 五感など、日本の五行思想に由来していると聞けば、話を聞かずにはいられません。 インタビューでは、料理への強烈な情熱はもちろん、修業時代に人間不信に陥った経験や、海外での葛藤など、普段はなかなか表に出てこない一面も語ってくれました。   特に印象的だったのは、子どもの頃からの夢を叶えた今もなお、 「でも、いまだに夢の中です」 と語ったその言葉。 料理人という仕事の奥深さと美しさを、改めて感じさせられる対談です。 実は最初はイタリアン志望ではなかった、という話もとても楽しかったです。   それでは、早速始めましょう。 インタビュー開始 (私) 今日はよろしくお願いします。 いつも会うときとはちょっと違う雰囲気ですが、楽しくいきましょう。 (間中シェフ) 緊張するな(笑)   Q:料理の道に進んだきっかけは何ですか? 正直、「これだ!」っていう決定的なきっかけがあったかというと、あんまりなくて。 でも気づいたら、料理人になることが夢だった、という感じなんですよね。 小学校の文集に、「料理人になって、自分の店を持つ」って書いていたらしくて。 自分でもほとんど記憶がないんですけど、小学2年生くらいから、そう思っていたみたいです。 母ちゃんが料理好きで、よく手伝ってたのも大きいですね。 特にミートソースがすごく得意で、それが小学校の友達に大人気だったんですよ。 友達が遊びに来ると振る舞ったりして。 そのときに、 「おいしいものって、人をつなぐ力があるんだな」 「人を笑顔にする力があるんだな」 って、自然と感じていた気がします。 テレビやドラマでも、料理人が主役の番組が多かった時代で。 作っている姿や立ち振る舞いに、素直に憧れていました。 (私) わかる! 私も小学校の卒業式で「一流の中華料理人になる!」って言った記憶がある。 (間中シェフ) (笑)中華だったんだ!俺は寿司屋になるって言ってたな。 そういう記憶って、ちゃんとつながってるんですよね。 子どもながらに外からの刺激を受けて、将来の姿を無意識に描いている。 ……でもね、いまだに夢の中です。   […]
14 Jan
Culture BY Takumi Kawano

What is The Manaita-biraki まな板開き(包丁式)

Manaita-biraki — A Ritual of Gratitude, Skill, and Respect for Life — Every New Year, Japanese chefs begin their work not with cooking, but with prayer and ritual. Manaita-biraki, literally meaning “opening the cutting board,” is a traditional ceremony marking the first use of knives and cutting boards of the year. Rooted in Shinto belief, […]
9 Jan
Topic BY Takumi Kawano

What Is the “Chefs chat (Tabete Mite Zadankai)”?

Chefs Chat (Tabete Mite Zadankai) is an experiential event that goes beyond simply tasting a dish as a finished product. By eating, observing, and talking together, participants are invited to explore the deeper layers of food. It is not just a tasting session, not a cooking class, and not a formal lecture. It is a […]
8 Jan
Cooking, WASHOKU BY Takumi Kawano

Learning from Nanakusa-gayu: How to Use and Tame Bitterness

  On January 7, I prepared Nanakusa-gayu. Nanakusa-gayu is a traditional Japanese rice porridge eaten on January 7, made with seven spring herbs. It is believed to promote good health, help the body recover after the New Year festivities, and ward off illness for the coming year. As I live in Australia, however, I didn’t […]